スローガン
「めざそう!リスク 0(ゼロ)で100%安全・健康・快適な湖国の職場」
1 滋賀県の労働災害発生状況
平成10年度から平成14年度の5年間にわたって推進した第9次労働災害防止推進計画(以下「9次防」という。)の休業4日以上の死傷災害(以下「休業災害」という。)総件数の20%減少の目標については、13.7%の減少にとどまった。業種別では、建設業のみ目標が達成できたがそれ以外の業種については、いずれの業種も目標達成ができなかった。
また、死亡災害の大幅減少の目標についても死亡災害総件数が126人となり、第8次労働災害防止推進計画(以下「8次防」という。)の死亡災害総件数の僅か2件の減少にとどまり、目標達成ができなかった。
職業性疾病の発生状況(休業4日以上)も、13.8%の減少にとどまった。そのうち腰痛が5割を超えて発生し、減少傾向が見られず、また、じん肺及び作業関連疾患では8次防に比べ総件数で増加している状況にある。さらに、酸素欠乏症、有機溶剤中毒、熱中症の死亡災害が発生した。
しかしながら、休業災害は、8次防期間中では年間平均1,700件台で発生していたが、9次防推進の結果、年間平均1,500件台まで減少し、総件数で約1,200件の減少となり、死亡災害は、平成13年に最も少ない15件となったほか、長浜署管内では、平成14年に死亡災害ゼロを達成し、また、一般健康診断結果の有所見率は、年々増加しているものの、平成9年は全国平均を超えていたものが、平成11年以降、全国1位の低率となっているなど、一定の成果が認められた。
2 計画の期間
本計画の期間は、平成15年度を初年度とし、平成19年度を目標年度とする5か年間とする。
ただし、計画期間中における労働災害防止に関し特別の事情が生じた場合は、必要に応じ計画の見直しを行うこととする。
3 計画の目標
(1) 計画期間中の死亡災害の総件数を100件以下とすること。
特に、次の死亡災害の総件数を大幅に減少させる。
@ 墜落・転落災害
A はさまれ・巻き込まれ災害
B 交通労働災害
(2) 計画期間中の休業災害の総件数を20%以上減少させること。
特に、次の休業災害の総件数を大幅に減少させる。
@ はさまれ・巻き込まれ災害
A 墜落・転落災害
(3) 計画期間中の職業性疾病の総件数を20%以上減少させること。
特に、次の職業性疾病を大幅に減少させる。
@ 災害性腰痛
A じん肺及び振動障害
B 化学物質による中毒、職業がん及び酸素欠乏症
(4) 過重労働、職場のストレスによる健康障害等の作業関連疾患を減少させること。
4 計画を推進する上での課題
(1) 労働災害の発生状況からみた課題
滋賀県の産業構造は、第三次産業への労働移動が生じているものの、第二次産業の就業割合が高く、全産業の38.8%(全国第1位)を占め、そのうち製造業が全産業の30.3%(全国第1位)、建設業が8.4%(全国第44位)を占めており、当県は依然として製造業を主体とした県勢となっている。
このような県勢の中で、労働災害の発生状況割合を休業災害でみると、製造業が35.2%と最も多く、次いで、建設業が18.6%、運輸交通業が12.6%と続き、死亡災害でみると、建設業が31.0%と最も多く、次いで、製造業が22.2%、運輸交通業が15.9%と続いており、これら3業種が依然として労働災害多発業種である。
なお、死亡災害を事故の型別でみると、交通労働災害が最も多く、36.5%を占め、次いで、墜落・転落災害が22.2%、はさまれ・巻き込まれ災害が12.7%と続いている。
@ 業種からみた課題
ア 製造業
製造業では、9次防の休業災害総件数の20%減少目標に対して、減少率が17.3%となった。
製造業の中では、食料品製造業(12.4%)、化学工業(11.4%)、窯業・土石製品製造業(10.9%)、金属製品製造業(15.8%)、一般機械器具製造業(10.0%)に多くの災害が発生しているが、同業種による労働災害多発の傾向は以前から変化はない。
事故の型別でみると、休業災害では、はさまれ・巻き込まれ災害が35.3%と最も多く、次いで、転倒災害が11.9%、切れ・こすれ災害が11.3%となっている。死亡災害では、はさまれ・巻き込まれ災害が35.7%と最も多く、次いで、崩壊・倒壊災害が17.9%、墜落・転落が14.3%となっている。
イ 建設業
建設業では、9次防の休業災害総件数の20%減少目標に対して、減少率が35.9%となり、全業種のうち唯一大幅な減少を達成した。
建設業の休業災害をみると、建築工事業が建設業の62.4%と最も多く、さらに木造家屋建築工事業が建設業の26.7%となっている。
また、事故の型別でみると、休業災害では、墜落・転落が37.1%と最も多く、次いで、はさまれ・巻き込まれ災害が11.5%、切れ、こすれ災害が11.0%となっている。死亡災害では、墜落・転落災害が43.6%と最も多く、次いで、崩壊・倒壊災害が15.4%、はさまれ・巻き込まれ災害が10.3%となっている。
ウ 運輸交通業
運輸交通業においては、近年、規制緩和等に伴い事業の新規参入が増加するとともに、物流システムの見直しや輸送サービスの多様化が進められており、今後、このような状況が安全管理に悪影響を及ぼすことが懸念される状況にある。
このような状況の中で、運輸交通業では、9次防の休業災害総件数の20%減少目標に対して、8次防の休業災害総件数を超え、6.1%増というような憂慮すべき結果となった。
事故の型別でみると、休業災害では、墜落・転落災害が28.4%と最も多く、死亡災害では、交通事故が90.0%と死亡災害のほとんどを占めている。
エ 第三次産業
滋賀県においては、依然として第二次産業中心の県勢であるが、第三次産業(運輸交通業、貨物取扱業を除く。以下同じ。)は、サービス経済化の進行により全産業に占める就業者数の割合が増加しており、第三次産業における労働災害発生状況は増加傾向にある。
このような中で、第三次産業の労働災害の発生状況をみると、交通労働災害の占める割合が高く、第三次産業のうち死亡災害では68.8%を占めている。
なお、死亡災害の発生状況を業種別にみると、第三次産業のうち商業で56.3%を占め、商業のうち新聞販売業が最も多く38.9%を占めている。
また、商業以外の第三次産業でみると、警備業及び清掃業がそれぞれ28.6%と併せて57.1%を占めている。
A 事業場の規模からみた課題
我が国における安全衛生水準は、着実に向上しているが、中小企業における安全衛生管理は、必ずしも十分とはいえない状況である。
このため、規模別の休業災害の発生状況をみると、労働者数10人以上30人未満が最も多く32.3%を占め、次いで10人未満が29.9%となっており、30人未満の事業場では、60%を超えている。
この傾向は、建設業においては、さらに顕著に現れており、30人未満の事業場が、ほぼ90%を占めている。
一方、製造業においては、労働者300人以上の事業場が9.1%を占めており、全国が5.4%であることを考慮すれば、事業場の規模に関わらない対策の徹底も必要である。
B 労働者の年齢からみた課題
我が国においては、少子化・高年齢化社会の進展に伴い、労働力人口の高齢化が進み、50歳以上の高年齢労働者の占める割合は増加傾向にあり、38.8%に達している。
このため、年齢別の労働災害の発生状況をみると、休業災害では、50歳代が26.4%と最も多く、続いて20歳代が21.2%と多く被災している状況となっており、50歳以上でみると39.8%を占めている。死亡災害では、60歳代が28.6%と最も多く、続いて50歳代が24.6%と多く被災し、50歳以上でみると53.2%を占めている。
このように、労働者の年齢から見た課題は、年齢各層によりそれぞれ異なる問題を有しており、年齢各層による災害防止対策が必要である。
(2) 労働者の健康確保をめぐる課題
@ 職業性疾病等に係る課題
腰痛等の筋骨格系疾患は、職業性疾病全体の半数以上を占めているが、特定の業種や特定の事業場において継続的に発生していることから、これらの業種・事業場に対して予防対策を進める必要がある。
9次防期間中、じん肺の新規要療養者数は29人発生し、振動障害の新規認定件数は、19人と後を絶たず、いずれも8次防期間中に比べ総件数は増加している。
また、現在、我が国の産業界で使用されている化学物質は、約55,000種類を数え、毎年多数の新規物質が職場に導入されている。また、産業廃棄物処理施設におけるダイオキシン類、「シックハウス症候群」に関連した化学物質による健康リスク問題など、化学物質による健康問題に対する社会的な関心が高まっている。
このような状況の中、9次防期間中に、有機溶剤、一酸化炭素による中毒や酸素欠乏症等も依然として後を絶たず、有機溶剤による中毒、酸素欠乏症、熱中症においては死亡に至る災害もそれぞれ1人づつ発生している。
なお、作業環境測定結果についてみると、有機溶剤取り扱い作業、粉じん作業では、依然として第2・第3管理区分の単位作業場が1割強存在している。
A 健康診断と作業関連疾患に関する課題
定期健康診断の有所見率は、平成9年は39.9%で全国平均の39.5%を超えていたものの、平成10年39.8%、平成11年38.7%、平成12年40.3%、平成13年41.7%、平成14年41.9%と推移し、平成10年以降、全国の有所見率を下回り、また、平成11年以降から全国で最も低い有所見率となったが、その差は年々拡大している。
平成14年の健康診断検査項目別の有所見率をみると、血中脂質検査(24.3%)、肝機能検査(12.9%)、心電図(8.7%)等の生活習慣病に係る検査項目や4,000Hzの聴力(10.7%)に係る検査項目での有所見率が高くなっている。
このような中、高脂血症、高血圧症等の基礎疾患を有した労働者に業務による明らかな過重負荷が加わることによって、脳血管疾患や虚血性心疾患等の疾患が誘発されることがあり、近年、労災認定件数も増加している。
また、職場において強い不安、ストレス等を感じる労働者の割合が増加し続け、6割にも上っていることもあり、さらに、業務による心的負荷を原因として精神障害を発症し、あるいは自殺に至る事案が、近年増加する傾向にあり、労災認定件数は全国的に増加している。
(3) 安全衛生管理をめぐる課題
事業場では経済情勢が厳さを増す中で、規制緩和等に伴う市場競争の激化により、コスト削減が進められている。例えば、安全衛生管理体制の中心となる各種管理者の選任状況をみても、平成14年末現在において、安全管理者83.1%、衛生管理者74.6%、産業医75.8%といずれも低調な選任状況であり、必ずしも事業場の安全衛生管理組織が期待している機能を果たしているとは言いがたい状況にある。経営の効率化を優先させる余り、安全衛生管理部門の縮小、安全衛生管理活動の減退、安全衛生教育の手控え等、関係者の安全衛生に対する意識が低下することが懸念されている。
また、これまでの安全衛生管理は、労働災害が多発した時代を経験し、災害防止のためのノウハウを蓄積した者により、その維持・向上が図られてきたが、最近、これらの者が退職等により異動する場合に、この安全衛生管理のノウハウが事業場において十分継承され難い状況が生じてきており、この結果、事業場の安全衛生管理水準の低下が危惧されている。
さらに、これまで無災害であった職場でも、必ずしも災害の危険性のない安全な職場であることを意味するものではなく、様々な種類の安全衛生に係るリスクが存在していることから、この潜在的なリスクを減少させる対策を図る必要がある。
いかなる経済情勢であろうとも、労働者の安全と健康の確保は企業経営において最も優先されるべき事項の一つである。経営の効率化を図りつつも安全衛生管理活動に必要な人材と経費を確保することが重要であり、企業内に組織と個人が安全を最優先する「安全文化」を根付かせ、自発的に労働安全衛生対策が企業内で推進される仕組みの確立を図ることが重要である。
5 課題に対する施策の推進
(1) 労働災害からみた課題に対する施策の推進
@ 業種からみた課題への対応
ア 製造業対策
機械・設備の安全性の評価を行い、「機械の包括的な安全基準」の徹底を推進し、はさまれ・巻き込まれ災害等を防止するため、機械・設備の安全対策を図る。
なお、災害多発の傾向が認められる食料品製造業、化学工業、窯業・土石製品製造業、金属製品製造業、機械器具製造業については、引き続き災害原因の分析結果を踏まえた重点的な対策の徹底を図る。
イ 建設業対策
墜落・転落災害を減少させるため、建築工事において手すりを先行する足場の組立工法の普及・定着を図るとともに、木造家屋等低層住宅建築工事においては、引き続き、足場先行工法の普及・定着を推進する。
また、土砂崩壊災害を減少させるため、上下水道等工事における土止め先行工法の普及・定着を図る。
これらの労働災害防止対策の実施に当たっては、発注機関や関係災害防止団体等の協力が不可欠であるため、今後とも公共工事発注機関との連携を強化し、建設業労働災害防止協会滋賀県支部の災害防止活動を支援する。
ウ 運輸交通業対策
交通労働災害防止対策の徹底を図るとともに、荷役作業時における墜落・転落災害等の防止対策の徹底を図る。さらに、自動車運転業務に従事する労働者の労働時間管理、健康管理の徹底を図るとともに、荷主に対し発注条件の適正化の促進を図る。
これらの労働災害防止対策の実施に当たっては、交通安全行政機関や関係災害防止団体等の協力が不可欠であるため、交通安全行政機関との協力や連携をより一層強化するとともに陸上貨物運送事業労働災害防止協会滋賀県支部の災害防止活動を支援する。
エ 第三次産業
交通労働災害防止対策及び業種別に策定された労働災害防止のためのガイドラインの徹底を引き続き図る。
特に、道路工事中に誤って進入する自動車による交通労働災害、配送作業中にかかる交通労働災害等が発生している警備(道路警備)及び商業(特に新聞販売業)については、それぞれの状況を踏まえた交通労働災害防止対策を推進する。
A 交通労働災害への対応
交通労働災害を減少させるためには、事業者は、労働者に単に交通法規の遵守を求めるだけではなく、一般の労働災害防止対策と同様に組織的に取り組む必要がある。このような観点から、「交通労働災害防止のためのガイドライン」の徹底を引き続き図るとともに、交通労働災害を発生させた第一当事者が所属する事業場に対する災害原因調査を実施し、その分析結果に基づく再発防止対策の徹底を図る。
B 労働者の年齢からみた課題への対応
労働者の高年齢化に伴う労働災害の増加要因に対応するため、「高年齢労働者の労働災害防止ガイドライン」の周知を図る。
また、長期的には労働災害が減少し、労働災害を経験した労働者が減ってきたこともあり、個々の労働者の安全衛生に関する感度の低下が考えられるところであり、特に、若年労働者を中心に安全衛生への関心を高めるとともに自ら災害防止に取り組む姿勢を醸成する。
(2) 健康確保をめぐる課題に対する施策の推進
@ 職業性疾病、化学物質による健康障害の予防対策
腰痛の減少を図るため、引き続き「職場における腰痛予防対策指針」による予防対策の徹底を図る。
じん肺の新規有所見者を減少させるため、アーク溶接作業等粉じん作業を行っている事業場に対して、ばく露の低減、健康管理等の徹底を図る。
有機溶剤、特定化学物質などの化学物質による健康障害を予防するため、「化学物質等による労働者の健康障害を防止するため必要な措置に関する指針」による予防対策の徹底を図るとともに、酸素欠乏症、一酸化中毒を予防するため、過去の災害事例を活用した対策の徹底を図る。
さらに、振動障害を防止するため、適正な工具の選定、適正な操作方法、定期的な健康管理などの徹底を図るとともに、騒音職場を有する事業場に対し、「騒音障害防止のためのガイドライン」による防止対策の徹底を図る。また、熱中症の発生を予防するため、夏季を中心に適切な予防対策の徹底を図る。
A 健康確保対策
健康診断の受診率の向上を図るとともに、医師等による保健指導を確実に行い事後措置の徹底を推進する。
なお、労働者の健康確保を図るため、産業医、衛生管理者等の専門性の向上を図るとともに、産業保健関係者を支援する滋賀産業保健推進センターの事業活動の推進に協力し、産業保健の中核になるように育成する。また、労働者50人未満の小規模事業場に対しては、地域産業保健センターの産業保健サービス機能の利用を促進する。
さらに、滋賀県が推進する「健康いきいき21」−健康しが推進プラン−に協力し、地域保健との連携を図る。
B 過重労働による健康障害の防止対策
過重労働による健康障害を防止するため、過重労働となるような長時間の時間外労働を削減するとともに、長時間労働が発生し、疲労が蓄積するおそれがある場合には、産業医による指導助言に基づく改善、労働者への面接による保健指導等の健康管理対策の徹底を図る。
さらに、過重労働による健康障害が発生した場合の再発防止対策の徹底を図る。
C メンタルヘルス対策
労働者の心の健康確保については、「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」によりメンタルヘルスケアの推進を図るとともに、自殺予防については、「職場の自殺予防マニュアル」の周知を図る。
D 快適職場の形成
労働力人口の高齢化、女性の就業分野の拡大、就業形態の多様化等に対し、すべての労働者にとって働きやすい職場環境の実現を図るため、快適職場推進計画認定制度の積極的運用を促進する。
また、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」の普及・促進を図る。
(3) 安全衛生管理からみた課題に対する施策の推進
@ 自主的安全衛生管理体制の確立
事業場における安全衛生管理水準を向上させるため、各種管理者の確実な選任と職務の励行を徹底するとともに、安全衛生活動の適切な展開を推進する。
また、事業場の実情に即した自主的な安全衛生活動を促進するため、事業者及び労働者の積極的な参加により、安全衛生委員会等の活動の活性化を図る。
さらに、安全衛生大会の開催、滋賀県産業安全の日の行事等により、企業内に組織と個人が安全を最優先する「安全文化」を定着させる。
A 労働安全衛生マネジメントシステムの構築
労働災害をさらに減少させるためには、事業場内に内在する潜在的危険や有害性を事前に低減することが必要であり、安全衛生管理のノウハウが事業場内で蓄積され、組織的に継承されることが重要である。
このため、事業者が労働者の協力を得て、「計画−実施−評価−改善」のサイクルにより、リスクを評価し、そのリスクを低減させるための改善措置を実施し、安全衛生水準の段階的向上を図る労働安全衛生マネジメントシステムの事業場への導入を普及・定着させ、安全衛生管理のシステム化を推進させる。
B 事業場の規模からみた課題への対応
小規模事業場については、労働災害防止措置の履行確保を図るともに、その自主的安全衛生活動を促進するため、労働災害防止団体の活動を浸透させ、中小企業集団については、継続的、効果的な安全衛生活動が実施されるよう支援する。
C 就業形態の多様化等への対応
近年、派遣労働、パートタイム労働、アルバイト及び外国人労働が増加していることから、正規労働者と同等の安全衛生条件を確保するため、雇入れ教育をはじめとする安全衛生教育の促進を図る。
また、親企業において、構内協力企業等を含む総合的な安全衛生管理の徹底を図る。
業種別労働災害防止対策
1 製造業
《共通事項》
(1) 総合的な安全衛生管理対策の徹底
(2) 機械設備による挟まれ・巻き込まれ災害の防止対策の徹底
(3) 機械の包括的な安全基準に基づく機械設備の設計段階における事前評価の実施及びフェールセーフ化の促進
(4) 墜落・転落災害の防止対策の徹底
(5) 荷役運搬機械等を用いる作業の適正化の徹底
(6) 交通労働災害防止のためのガイドラインに基づく対策の徹底
(7) 腰部に著しい負担のかかる作業における負担の軽減化対策の実施及び腰痛予防体操の励行
《食料品製造業》
(1) 食品加工用機械、食品包装機械に係るガイドラインに基づく機械の安全化の促進及び使用時の安全の確保
(2) 食品加工用手工具の取扱い及び荷の運搬等における安全な作業方法の徹底
《化学工業》
(1) 化学プラントに係るセーフティアセスメントに関する指針に基づく対策の徹底
(2) 化学設備の保守管理の徹底
(3) 化学設備の非定常作業における安全衛生対策のためのガイドラインに基づく適正な作業方法の徹底
(4) 酸素欠乏危険作業における酸素濃度の測定、換気及び特別教育の徹底
(5) 化学物質等による労働者の健康障害を防止するための必要な措置に関する指針に基づく措置の徹底
《窯業・土石製品製造業》
(1) 成形機、混合機等の安全化の促進及び安全装置等の適正使用の徹底
(2) 原料の混合等の粉じん作業における局所排気装置等の設置、たい積粉じんの除去、呼吸用保護具の使用等粉じん障害防止対策の徹底
(3) 騒音作業場における設備、作業方法等の改善及び防音保護具の使用の徹底
《金属製品製造業、機械器具製造業(一般・電気・輸送用)》
(1) プレス機械、工作機械、自動機械等の安全化の促進及び安全装置の適正使用の徹底
(2) 自動化生産システムの非定常作業における安全対策のためのガイドラインに基づく適正な作業方法の徹底
(3) クレーン等の定期自主検査及び点検整備の励行並びに適正な玉掛け作業の徹底
(4) アーク溶接、研磨等の粉じん作業における局所排気装置等の設置、たい積粉じんの除去、呼吸用保護具の使用等粉じん障害防止対策の徹底
(5) 有機溶剤中毒予防対策の徹底
(6) 騒音作業場における設備、作業方法等の改善及び防音保護具の使用の徹底
(7) 低振動工具の使用、作業管理及び健康管理の徹底
2 建設業
《共通事項》
(1) 総合的な安全衛生管理対策の推進
(2) 工事の計画段階等での安全衛生に係る事前評価の徹底
(3) 施工計画作成者及び現場責任者に対する安全衛生教育の徹底
(4) 墜落・転落災害の防止対策の徹底
(5) 木材加工用機械の使用時の安全確保
(6) クレーン、移動式クレーン、車両系建設機械等による適正な作業方法の徹底並びにこれらの機械の定期自主検査及び点検整備の励行
(7) 高年齢労働者の災害防止のためのガイドラインの活用の促進
(8) 交通労働災害防止のためのガイドラインに基づく対策の徹底
(9) 酸素欠乏危険場所における酸素濃度及び硫化水素濃度の測定、換気並びに特別教育の徹底
(10) 腰部に著しい負担のかかる作業における負担の軽減化対策の実施及び腰痛予防体操の励行
(11) 建設業における有機溶剤中毒予防のためのガイドラインに基づく対策の徹底
(12) 低騒音・低振動工具の使用、作業管理及び健康管理の徹底
(13) 作業時における熱中症対策の推進
《土木工事》
(1) 事前の地質等の調査及び安全な作業計画の策定の徹底
(2) 明り掘削工事における掘削面の適正な勾配の保持の徹底
(3) 土止め先行工法の普及・定着
(4) 足場の設置等による安全な作業床の確保
(5) 適正な条件のもとでの車両系建設機械による荷のつり上げ作業の実施の徹底
(5) ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドラインに基づく粉じん障害防止対策の徹底
《建築工事(木造家屋建築工事を除く。)》
(1) 足場の設置等による安全な作業床の確保
(2) 手すりを先行する足場組立工法の普及・定着
(3) 型枠支保工の組立図及び鉄筋構造物の組立て作業計画に基づく組立ての徹底
(4) 仮設構造物、建築物等の組立て等の作業の安全確保
(5) コンクリートのはつり作業時の粉じん作業における換気、呼吸用保護具の使用等粉じん障害防止対策の徹底
《木造家屋建築工事》
(1) 足場の設置等による安全な作業床の確保及び作業床、手すり等の設置が困難な場所等における安全帯の使用、防網の設置の徹底
(2) 足場先行工法に関するガイドライン、木造家屋解体工事安全施工指針等に基づく安全作業の励行
(3) 保護帽の着用の徹底
《設備工事》
(1) 足場の設置等による安全な作業床の確保
(2) 高所作業車等に係る安全な作業方法の徹底
(3) 電気工事における停電作業及び活線作業等の安全化の推進
(4) アーク溶接等の粉じん作業における換気、呼吸用保護具の使用等粉じん障害防止対策の徹底
(5) 廃棄物焼却施設の解体・改修等におけるダイオキシン類ばく露防止対策の徹底
3 運輸交通業
(1) 交通労働災害防止のためのガイドラインに基づく対策の徹底
(2) 荷の積卸し作業、はい作業等における安全な作業方法の徹底
(3) 荷役運搬機械、器具・用具の適正使用及び点検整備の徹底
(4) 荷役運搬機械による作業及び貨物の積卸し作業における作業指揮者の適正配置、職務の励行及び安全衛生教育の徹底
(5) 腰部に著しい負担のかかる作業における負担の軽減化対策の実施及び腰痛予防体操の励行
4 第三次産業
《共通事項》
(1) 安全衛生管理体制の確立
(2) 交通労働災害防止のためのガイドラインに基づく対策の徹底
(3) 腰部に著しい負担のかかる作業における負担の軽減化対策の実施及び腰痛予防体操の励行
(4) 雇入れ時等における安全衛生教育の徹底
《卸売・小売業》
(1) 倉庫、加工場所等における作業の安全な作業方法の徹底
(2) 一般動力機械、荷役運搬機械を用いる作業の適正化及び点検整備の励行
《清掃業》
(1) ごみ収集作業の安全な作業方法の徹底
(2) 車両系荷役運搬機械等による安全作業の徹底
(3) 墜落・転落災害の防止対策の徹底
(4) 高年齢者に配慮した床面等の清掃作業の安全な作業方法の徹底
(5) 保護帽、保護具の使用の徹底
(6) 廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類のばく露防止対策の徹底
《警備業》
(1) 車両誘導作業における安全な作業方法の徹底
(2) 施設等の巡回警備作業における転倒、転落災害の防止対策の徹底