
| 最近、仕事のストレス(業務による心理的負荷)が原因で精神障害になった、あるい は自殺したとして労災請求されるケースが増えています。 そこで厚生労働省では、精神障害等の労災請求事案の業務上・外を判断するため、 「心理的負荷による精神障害等に関わる業務上外の判断指針」(以下「判断指針」と いいます。)を作成しています。 このパンフレットは、判断指針の概要を説明し、心理的負荷による精神障害あるいは 自殺が、どのような判断によって労災認定されるのかについてまとめたものです。 |

| 労働者に発病する精神障害は、 | ||||||
|
||||||
| が複雑に関係しあって発病するとされています。 |


| 業務による心理的負荷、業務以外の心理的負荷及び個体側要因と労働者が発病した精 神障害との関連性について調査した結果、業務によつ心理的負荷以外には、特段の心 理的負荷、個体側要因が認められない場合で、表1「職場における心理的負荷評価 表」」(以下「表1」といいます。)の総合評価が「強」と認められるときには、業 務上と判断します。 しかし業務による心理的負荷以外に、業務以外の強い心理的負荷、著しい個体側要因 が認められる場合には、表1の総合評価が「強」と認められるときであっても、これ らの精神障害の発病要因を検討し、業務による心理的負荷が精神障害の発病に有力な 原因となっているか否かについて総合判断(精神障害の業務起因性のガン団のフロ チェート)します。 |


| 労災保険では、故意による災害には保険給付されません。一般的に自殺は来いによる 死亡ですから基本的には保険給付されないのですが、うつ病等気分(感情)障害、重
度ストレス障害等ストレス関連障害などの精神障害では、その病態として自殺念慮が 出現する蓋然性が高いと医学的にみとめられた人が自殺を図った場合には、「精神障
害によって、正常な認識、行為選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとど まる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態」に陥ったものと推定し、原則とし
て業務起因性が認められます。 なお、このほかの精神障害については、必ずしも一般 的に強い自殺念慮を伴うとまではいえないことから、当該精神障害と自殺の関連につ いて検討されることとなります。 |


|
![]() |
![]() |


| 原則として国際疾病分野大10修正(ICD-10)第X章「精神および行動の障害」に分類 される精神障害です。 (主として業務が関連する可能性のある精神障害は、うつ病等 気分[感情]障害、重度ストレス反応等ストレス関連障害などです。) |
![]() |

| 表1を用い、業務による心理的負荷の強度を評価し、精神障害を発病させるおそれが ある程度の心理的負荷であるかどうかを検討します。具体的には、表1において総合
評価が「強」と認められれば、精神障害を発病させるおそれがある程度の心理的負荷 であると評価します。 「出来事」及び「出来事に伴う変化等」の心理的負荷は、次の1〜3の手順で評価し ます。 |
![]() |
| (1) | 「出来事」の平均的な心理的負荷の強度 まず、精神障害の発病前おおむね6ヶ月の間に、その精神障害の発病に関与したと思 われる業務による「出来事」としてどのようなものがあったかを具体的に把握し、そ の「出来事」が表1の(1)のランのどの「具体的出来事」に該当するか、あるいは 近いかを判断します。 これによって、平均的な心理的負荷の強度(「T」、「U」、「V」)を評価しま す。 「T」は日常的に経験する一般的に問題とならない程度の心理的負荷、「V」は人生 の中でまれに経験することもある強い心理的負荷、「U」はその中間に位置する心理 的負荷とします。 |
| (2) | 平均的な心理的負荷の強度の修正 次に、表1の(2)の欄で、その「出来事」の実際の内容や程度により、必要があれ ば(1)で評価した心理的負荷の強度を「U→V」などと修正します。その時、恒常 的な長時間労働があると認められる場合には、強度はより強いものに修正します。 |
![]() |
| 表1の(3)の欄の各項目に基づいて、出来事が起こった後、出来事に伴う変化はど の程持続、拡大、改善したのかを検討し、「出来事に伴う変化等」の心理的負荷を評 価します。 |
| 検討する項目 |
| ● | 仕事の量(労働時間等)の変化 |
| ● | 仕事の質の変化 |
| ● | 仕事の責任の変化 |
| ● | 仕事の裁量性の欠如 |
| ● | 職場の物的、人的環境の変化 |
| ● | 会社の講じた支援の具体的内容・実地時期等 |
| ● | その他 |
![]() |
| 1と2で検討した「出来事」及び「出来事に伴う変化等」の心理的負荷が、総合的に 評価して「弱」「中」「強」のいずれと認められるかを判断します。 この場合、総合評価が「強」と認められる心理的負荷とは次の場合です。 |
| (1) | 表1の(2)の欄に基づき修正された心理的負荷の強度が「V」と評価される 「出来事」に直面し、かつ、その「出来事に伴う変化等」に係る心理的負荷が相当程 度過重であると評価される場合 |
| (2) | 表1の(2)のランに基づき修正された心理的負荷の強度が「U」と評価される 「出来事」に直面し、かつ、その「出来事に伴う変化等」に係る心理的負荷が特に過 重と評価される場合 |

| 「相当程度過重」とは、同種の労働者と比較して業務内容が困難で、業務量も過大で ある等が認められる状態をいいます。 「特に過重」とは、同種の労働者と比較して業務内容が困難で、恒常的な長時間労働 が認められ、かつ、過大な責任の発生、支援・協力の欠如等特に困難な状況から認め られる状態をいいます。 |


| 表2「職場以外の精神的負荷評価表」(以下「表2」といいます。)を用い、業務以 外の心理的負荷の強度を評価し、「業務以外の強い心理的負荷がないか」検討しま
す。 なお、表2においても表1と同様、「出来事」の具体的内容等を勘案の上、平均的な 心理的負荷の強度を修正します。 |

| 個体側要因として、次の@からCに示す事項に考慮すべき点が認められ、それらが精 神障害を発病させるおそれのある程度のものと認められるか否かについて検討しま す。 |
| (1) | 既往歴 |
| (2) | 生活史(社会適応状況) |
| (3) | アルコール等依存状況 |
| (4) | 性格傾向 |